パリのポンピドゥー・センターの国立近代美術館が扱う芸術のひとつに、シュルリアリスムがあります。
シュルリアリスムとは、いったいどういうものをいうのでしょうか。
●シュルレアリスム
ダダイズム[下記参考]から派生したもので、1924年に詩人のブルトンの「シュルレアリスム宣言」に始まります。
フロイトの影響を受け、夢の記録や自動記述によって現実にひそむ超現実的な真実を発見しようというもので、芸術によって現実の転倒を図ろうとしたのです。
具体的にシュルレアリスムを推し進めた芸術家には、タンギー、ミロ、クレー、マットン、ダリ、エルンスト、マグリット、マッタ、などがいます。
ポンピドゥー・センター(国立近代美術館)では、ミロを常設展示しています。
参考:ダダイズム
シュルレアリスムの元となった、「ダダイズム」とは、旧来の因習や権威、価値を破壊し、自由な表現を展開しようとしてもので、1916年にチューリッヒで詩人のツァラが始めたものです。
コラージュ、オブジェなどの新しい表現方法を開拓したことで、美術史において大きな位置を占めます。
ダダイスムの推進メンバーには、ピカピア、アルプ、シュヴィッタース、ヂュシャン、などがいます。
ちなみに、DADA(ダダ)というのは、「おもちゃの馬」を意味します。ただしここでは、音の響きの面白さだけをさし、それ以外は何も意味しません。
現代芸術は、「感覚」で素直に感じたいと思うのですが、それでも何らかの予備知識をもっているのかどうかで、感じるものの質や大きさが変わってきます。
美術史をちょっぴり予習復習しながら美術館めぐりをしてみてはいかがでしょう
そのほか、ポンピドゥー・センターでは次のものも扱っています。
●キュビズム
●フォーヴィズム
●抽象表現主義
●アンフォルメル
●表現主義
●ダダイズム
特に、ポンピドゥー・センターの国立近代美術館では、ピカソやミロを常設展示していますが、このピカソはキュビズム、ミロはシュルレアリスムに属します。
なかでも、おなじみのピカソが属するキュビズムとは何か、ちょっとだけ簡単にご説明します。
●キュビズム・・・「自然界のすべてのものは、球、円盤、円筒の形をしている」という、セザンヌの考えを発展させた1907年ごろ以降の芸術家たちによってすすめられました。
対象を幾何学的な基本図形に還元し、その展開図を描くような手法で多角的、同時的に描きます。世界を再構成しようとしているものです。
具体的には、ピカソ、ブラック、ドローネー、レジェらの作品がこれに該当します。
ポンピドゥー・センターでは、グリスの「ピエロ」(1919年)が、必見です。
キュビズムの作品をみると、現実や私たちの心の世界をこんな風に表現できるのか、と不思議な気持ちになります。
ポンピドゥー・センターのゆったりとした空間のなかで観るとその思いがいっそう濃厚になるのを感じます。